「深い樹海は暗く 祈りのみ込んで」
いやなゆめをみて目覚めた日は、ずっとゆううつで空の高い青も日陰の風も、美しい夕焼けもこころに届かない。
母方の祖父母は2人とも教師で、その世代で教師というのは大変立派だったようです。
特に祖母は、女性は職を持たないか労働をする時代だったので、お金持ちの親に女学校入れられて教師になって。
夢で、実家はなぜか実際よりもっと裕福になっていて、広く立派な豪邸で、父親がやれ政治家と会食がどうのとか話してる。
現実にはありえない富裕層になっていて、私はそこで着古したパジャマを着てリビングの隅っこで所在なさげに座っていた。
リビングも、2倍くらいは広くて、でっかいみたことないソファとペルシャ絨毯。
そこで父や母や姉は仕事の話や社交の話をしていて、わたしだけ蚊帳の外で辛い気持ちになっている。
だけど3人はいつも通り、わたしのことなんか見えてない。
どんなに体調が悪くて落ち込んで苦しんでいたあの日みたいに、見えない存在。
なぜかもう居ない祖父母がいて、祖母がいつものように、「娘もその旦那も孫も医者だ!」って喜んで、また私の存在なんか見えてない。
わたしは、わたしだけが何も出来ない何にもなれない、エリート家族から異物のような存在。それに傷ついて、感情が凍って石のようになって止まっている。
永久凍土。
誰も私を責めてない。
感情を凍らせて、誰にも見せなかったから。
本当に誰にも、本当の私のことが見えてないだけ。
だけど私は自分を責め続けている。
首を締め続ける。
心の置き場所がわからない。
自分で自分を認めてあげないと、他人に褒められても響かない。
なんで生き続けるのかわからない。
深層心理というものは夢で1番再現される気がする。
定期的に、思い出させられる。
自分は異物だってこと。もう家族に馴染めないこと。
家族の誰かと話す時、やっぱり感情は一切出てこない。
少し本当の気持ちを敢えて話してみると、母親は狼狽えて受け止められずに泣きそうになったりしている。
「母親の貴女が娘にこんなことを言われるのは傷つくよね」
彼女は本当の私を受け止められないから、思っていることを言えない。
感情をぶつけられない。
だから、ずっと俯瞰で自分と相手を見ながら淡々と話すだけ。
幼い頃から学んだから。
この人たちはわたしの心には寄り添えないということを。
氷解されない感情が、夢をみせる。
現実を突きつけてくる。